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環境:過剰な栄養が塩性湿地を脅かす

Nature 490, 7420

栄養強化実験開始から8年、塩生湿地の縁は断片化し、ところどころに崩壊も見られる。
栄養強化実験開始から8年、塩生湿地の縁は断片化し、ところどころに崩壊も見られる。 | 拡大する

Credit: Christopher Neill

塩性湿地は、臨海部の都市の暴風からの保護、栄養の除去、炭素の隔離など、重要な生態系サービスを提供しているが、保護策が実施されているにもかかわらず、このような生態系は減少しつつある。今回、9年間にわたる生態系全体の栄養強化実験のデータから、海岸への現在の水準での栄養流入によって、塩性湿地生態系の重要な特性が変化し、その結果入り江の岸辺が崩壊し、最終的に塩性湿地が干潟となる場合があることが示された。富栄養化による海岸湿地の劣化の可能性は、21世紀の食糧生産の要求を満たしながら窒素を管理するという難問をさらに厳しいものにするだろう。

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