Nature ハイライト

医学:自閉症の新しいマウスモデル

Nature 488, 7413

結節性硬化症は、腫瘍を生じるまれな遺伝性疾患で、TSC1あるいはTSC2遺伝子の変異によって引き起こされる。この疾患の患者には、小脳の病変を伴う自閉症スペクトラム障害も見られることが多い。臨床研究からは、自閉症の病因への小脳機能不全の関与が示唆されている。そこで、M Sahinたちはマウスで小脳のTsc1遺伝子を破壊し、機能にどのような結果が生じるかを調べた。この変異マウスでは、自閉症患者に共通する病理学的特徴、すなわちプルキンエ細胞数の減少とニューロンのストレスマーカーの上昇が見られ、小脳プルキンエ細胞のTsc1を欠損するマウスは自閉症関連行動を示した。変異マウスにmTOR阻害剤のラパマイシンを投与すると、小脳の病変および行動的特徴は共に改善される。

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