Nature ハイライト

宇宙:グランドデザイン渦巻銀河を遠方から眺める

Nature 487, 7407

渦巻銀河BX442とその伴銀河である矮小銀河(左上)のイメージ画像。
渦巻銀河BX442とその伴銀河である矮小銀河(左上)のイメージ画像。 | 拡大する

Credit : Dunlap Institute for Astronomy & Astrophysics/Joe Bergeron

複数の腕からなる羊毛状で、あまり目立たない渦巻構造とは違って、いわゆるグランドデザイン渦巻銀河は目に付きやすい渦巻腕が特徴である。グランドデザイン渦巻銀河は、近傍宇宙には比較的ありふれているが、赤方偏移z > 2では珍しく、このことは初期宇宙の条件では、それほどはっきりしない塊状の銀河が形成されやすいことを示唆している。しかし今回、z = 2.18に位置する遠方のグランドデザイン渦巻銀河Q2343-BX442の観測結果が報告され、この銀河の円盤は力学的に高温であることが示された。高温であることは羊毛状構造に有利な条件だと考えられている。今回のデータからは、この銀河はほかの系との小規模な合体を起こしつつある厚い円盤で、この合体によって短寿命の渦巻構造の形成が促進されている可能性が示されている。

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