Nature ハイライト

遺伝:大腸がんに関連する変異

Nature 487, 7407

がんゲノムアトラス研究ネットワークが、大腸がんにおける体細胞性変化の全ゲノム特性解析について報告している。エキソーム塩基配列データ、DNAコピー数、プロモーターのメチル化、メッセンジャーRNAおよびマイクロRNAの発現に加えて、カバー率の低い全ゲノム塩基配列解読の結果について総合した解析が行われ、大腸がんの16%に高頻度の変異が見られることが明らかになった。そのうち4分の3には、予想されていたように高度のマイクロサテライト不安定性が見られたが、残りの4分の1にはミスマッチ修復遺伝子の体細胞性変異があった。このデータから、ゲノム変化には著しく一貫したパターンがあることや、24個の遺伝子に有意な変異が見られることが明らかになった。このデータによって、侵襲性の大腸がんの新しいバイオマーカーが複数同定されただけでなく、MYCが誘導する転写の活性化と抑制が重要な役割を持つことも示されている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度