Nature ハイライト

生態:人口移動の正確な予測

Nature 484, 7392

1940年代以降、人口移動や輸送網使用量、さらには感染症流行などを予測する必要があるときには、万有引力の法則に基づく「重力モデル」が使われてきた。このモデルでは、2地点間を移動する個体の数は、出発地点と目的地点の人口に比例し、地点間の距離が離れるほど減少すると仮定する。この方法は、特定の2地点間の流量だけに着目するため、限界がある。今回、A-L Barabásiたちは、すべての中間地点の人口密度を考慮するまた別のモデルを示している。このパラメーターフリーな「放射モデル」では、通勤や移動から電話の通話量までのさまざまな現象を、重力モデルよりもずっと正確に予測できる。このシステムは、測定が容易な人口密度についてのデータしか必要としないため、系統立てたデータ収集のできない地域でも、通勤や輸送のパターンの予測に使用できる。

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