Nature ハイライト

気候:退氷の一因は二酸化炭素だった

Nature 484, 7392

南極の氷床コアの記録から、更新世の氷期の間には、大気の二酸化炭素濃度と気温の間に関連があったことが知られている。しかし、この2つの間の時間的関係はよくわかっておらず、温室効果ガスが氷期の主な駆動因だったのか、温暖化からのフィードバックだったのか、それとも過去の気候変動の原因ではなくてまさに結果であったのかについては、議論が分かれている。Shakunたちは、最終退氷期の気温の代理指標記録を集めて全球的なデータとしてまとめ、この期間に地球温暖化に先立って二酸化炭素の増加が起こっていたことを見いだしている。これらの観測結果は、過渡的な全球気候モデルによるシミュレーションの結果と合わせると、最終退氷期では二酸化炭素が地球温暖化の主な駆動因であったことを示唆している。

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