Nature ハイライト

認知:意思決定における脳活動

Nature 484, 7392

意思決定、分類や空間的注意のような課題を統合する認知処理について、これまでの霊長類を対象とした研究では後頭頂皮質(PPC)が重要な役割を果たすことが示されている。だが、げっ歯類におけるPPCの役割については、よく知られていない。D Tankたちのグループは、仮想現実システムを、遺伝的にコードされたカルシウムインジケーターGCaMP3の二光子画像化と組み合わせて用い、マウスでPPC中のニューロン集団の動態を調べた。マウスは、視覚的判断と記憶に導かれる応答の両方を組み入れた課題で仮想のT字迷路を進むように訓練された。PPCニューロンでは、課題実行時間全体にわたって連続活性化が起こり、時間差のある活性化パターンが見られた。このような連続的活性化に関与する細胞は解剖学的に異なるものが混ざり合っているが、進路探索の際に見られるさまざまな連続的ニューロン活動は、それぞれ異なる決定に対応していた。今回の結果は、PPCは、長時間の安定した神経活動状態ではなく、小型回路の一過的な活性化を介して機能することを示している。

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