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進化:恐竜もノミに悩まされていた?

Nature 483, 7388

ジュラ紀中期のノミ(左が雌、右が雄)
ジュラ紀中期のノミ(左が雌、右が雄) | 拡大する

Credit : D. Huang et al, Nature

ノミ類は、寄生昆虫や疾患媒介動物としてよく知られているが、その系統学的な類縁関係ははっきりしていない。その理由は、哺乳類や鳥類の血を吸うように適応して高度に特殊化した形態のせいだけではない。ノミ類は、シリアゲムシ類に近いのではないかと長い間考えられてきたが、ノミ類の化石はすべて現生の科に属するものであるため、シリアゲムシ類と現生ノミ類の間の形態的移行が謎となっていた。今回、恐竜時代の古いノミ類の化石が発見されたことで、状況が変わりそうだ。これらの化石昆虫は跳躍するための脚を持たず、シリアゲムシの祖先の形質を複数備えている。また体が大きく、体長が2 cmを超えるものもある。このような巨大なノミ類は、羽毛を持つ恐竜の外皮を利用するように進化したのかもしれない。

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