Nature ハイライト

遺伝:ヒト科で4番目に解読されたゴリラゲノム

Nature 483, 7388

ゴリラゲノムの塩基配列が解読され、これにより、現生ヒト科4属のヒト、チンパンジー、ゴリラおよびオランウータンのDNA比較が可能になった。今回のゴリラのデータは主に、カミラと名付けられた雌のニシローランドゴリラから得られたものだが、ニシローランド亜種およびヒガシローランド亜種にあたる他のゴリラのデータも含まれている。データ解析から、ゴリラのゲノムの3分の1については、ゴリラとヒトあるいはチンパンジーとの間の方が、ヒトとチンパンジーの間よりも近縁であることが示唆された。ゴリラ、ヒトおよびチンパンジーの各系統で、約500個の遺伝子が加速進化を示し、また、特に聴覚に関連する遺伝子で平行加速進化の証拠が得られた。遺伝学的証拠および化石証拠に基づいて、ヒト—チンパンジーの種分化はおよそ600万年前、ヒト—チンパンジー—ゴリラの種分化はおよそ1,000万年前に起こり、また、ニシローランドおよびヒガシローランドの2つのゴリラ種の分岐は約175万年前に起こったと考えられる。

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