Nature ハイライト

生化学:植物vs微生物

Nature 449, 7159

多くの植物病原菌は、宿主植物の防御機構を無力化することによって病原性を高めるエフェクタータンパク質を進化させてきた。一方、植物の側は、非常に特異性の高い病害抵抗性タンパク質を発達させることで、これに対抗してきた。こういう抵抗性タンパク質はエフェクタータンパク質を認識して、多くの場合局所的な細胞死の誘導によって、感染を制限する。今回、トマト斑葉細菌病菌であるPseudomonas syringaeのこのようなエフェクタータンパク質の1つであるAvrPtoの、Ptoキナーゼと結合した状態での結晶構造が明らかにされた。Ptoキナーゼは、斑葉細菌病に対する抵抗性をトマトに与える。AvrPtoとPtoキナーゼの相互作用の性質から、感染の際のAvrPtoの標的を擬態するようにPtoが進化してきた可能性が考えられる。

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