Nature ハイライト

構造生物学:セントロメアのヌクレオソーム

Nature 476, 7359

セントロメアは、セントロメア特異的なヒストンH3の変種であるCENP-Aを含むヌクレオソームの集積によってエピジェネティックに標識されている。立和名博昭(早稲田大学)たちは、DNAに結合したヒトのセントロメアヌクレオソームの結晶構造を報告している。この構造では、ヒストンタンパク質八量体が左巻きスーパーヘリックス構造のDNAに包まれている、典型的な配置が見られる。ヌクレオソームの入口と出口に当たる箇所のDNA領域には柔軟性があり、CENP-A内のループが、セントロメアクロマチンへの組み込みを安定化するのを助けているらしい。この構造は、CENP-Aを含むヌクレオソームを初めて観察したものであり、これまでの研究で論じられてきたさまざまなモデルを明確にするのに役立つ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度