Nature ハイライト

細胞:繊維芽細胞からニューロンを作る

Nature 476, 7359

ヒト繊維芽細胞から機能を持った誘導神経(iN)細胞を作れることが、3つの研究により実証された。この過程は再生医学にとって大いに有望と思われる。Pangたちは、Ascl1(別名Mash1)、Brn2(別名Pou3f2)、Myt1lという3つの転写因子の組み合わせが、ヒト胚性幹細胞のニューロンへの分化を著しく促進することを明らかにしている。これらの転写因子を塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス転写因子NeuroD1と組み合わせると、胎児由来、あるいは新生児由来のヒト繊維芽細胞をiN細胞へと変換することもできる。Caiazzoたちは、Mash1Nurr1(別名Nr4a2)、Lmx1aという3種類の転写因子の混合物を使って、マウスとヒトの出生前繊維芽細胞および成体繊維芽細胞を、機能を持ったドーパミン作動性ニューロンへと変換している。ニューロンへの変換は直接的で前駆細胞段階に戻ることはなく、パーキンソン病患者由来の細胞でも健常者と同様に起こった。Yooたちは、これらの研究とは違う方法を使い、マイクロRNAが神経細胞の運命決定を指示する役割を持つ可能性を明らかにしている。miR-9/9*とmiR-124をヒト繊維芽細胞で発現させると、機能を持ったニューロンへの変換が起こり、この過程は神経発生を誘導する転写因子をさらにいくつか加えることで促進される。

2011年8月11日号の Nature ハイライト

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