Nature ハイライト

Cover Story:火山の下で:欧州空域を閉鎖に追い込んだ噴火に先立って起こった火山活動の兆候

Nature 468, 7322

今年4月にヨーロッパの航空交通を混乱に陥れた火山灰噴煙は、ほぼ18年にわたって間欠的に活動してきたアイスランドの火山から放出されたものであった。このエイヤフィヤトラヨークトル火山を、噴火の前段階から火山灰を噴出した爆発的山頂噴火まで、詳細な宇宙測地学的観測と地震観測を組み合わせて監視した。その結果、異例な変形パターンが明らかになった。原因は、断裂帯から離れ、地下構造が比較的低温で浅部にあるマグマ量が限られた環境だと考えられる。2010年の1回目の噴火直前の短い前兆は微細で検出するのが困難だったが、噴火前の数週間から数か月、あるいは数年にわたってみられた火山活動の明瞭な兆候は、その後の壊滅的な噴火を予測するにあたって、よりよい手がかりとなるかもしれない(Letter p.426)。

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