Nature ハイライト

遺伝:ニューロンにおけるレトロ転位

Nature 468, 7322

L1レトロトランスポゾンは動的な調節を受けている活性なゲノム因子で、脳の発生期間を通じて、遺伝子発現やニューロンの機能に影響を及ぼしている。今回、げっ歯類モデルを使ったA Muotriたちの新たな研究によって、いくつかの神経発達障害にかかわると考えられているDNAメチル化調節因子MeCP2がないと、L1のレトロトランスポゾンとしての活性が上昇することが明らかになった。L1のレトロ転位が起こりやすくなるこのような傾向は、レット症候群患者から作製されたiPS細胞でも再現された。これらのデータは、疾患にかかわる遺伝的変異がL1のレトロトランスポゾンの活動に影響している可能性を示しており、分子神経疾患の理解がさらに一歩進んだといえる。

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