Nature ハイライト

物性:酸化物エレクトロニクスの進展

Nature 469, 7329

材料の表面や界面では、バルクと異なる新奇な特性をもつ電子状態が形成される。薄膜酸化物デバイスでこのような特性を最適化することによって、酸化物エレクトロニクスとして知られる新しい研究分野が生まれた。この分野では、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)という材料が中心的な役割を担っている。特に、SrTiO3系酸化物界面では、エキゾチックな二次元電子ガス(2DEG)が形成される。しかし、この2DEGの正確な性質はよくわかっていない。Santander-Syroたちは、角度分解光電子分光法(ARPES)を用いて系統的な研究を行い、2DEGの電子バンド構造について新たな知見を得ている。今回の研究成果は、SrTiO3系ヘテロ構造のこれまでの観測結果の解明を助けるもので、SrTiO3表面での異なる形態の電子閉じ込めが、本質的に同じ2DEGにつながることを示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度