Nature ハイライト

細胞:遺伝子工学研究者のサーキットトレーニング

Nature 469, 7329

合成生物学者が創造性を発揮するためには、基礎となる回路が真に互換可能、すなわちモジュール式で拡張性をもっていなければならない。大腸菌または酵母をそれぞれ研究に用いた2つの論文によって、この目標に少し近づくことができた。Tamsirたちは大腸菌の「クオラムセンシング(菌体密度感知機構)」を、またRegotたちは酵母のフェロモンによるコミュニケーションを用いて、単純な論理機能を実行する個々の細胞間のコミュニケーションを介する複雑な計算を実現した。1個の細胞内で複数の異なった遺伝子回路を作動させる際に回路どうしを隔離するのは難しいが、今回報告されたような細胞外での「化学的接続」は、こうした困難を克服するための方法として有望かもしれない。

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