Nature ハイライト

細胞:終止コドンがタンパク質生合成を終わらせる仕組み

Nature 465, 7300

細菌では、タンパク質合成は極めて正確な終わり方をする。mRNA上の終止コドンに、アミノ酸を結合したtRNAではなく、終結因子のRF1かRF2が結合すると、新生タンパク質が遊離する。最近、いくつかの終結複合体の結晶構造が発表されたことで、終止コドンの読み取りのエネルギー論的性質を数値解析して、終結因子結合の高い精度がどこに起因するのかを突き止めることが可能になった。14種の終結複合体の分子動力学シミュレーションにより、終止コドンの読み取りがこれまで未解明だったいくつかの相互作用や認識スイッチによって成り立っていること、さらに、これはトリペプチドアンチコドンの「tRNA擬態」モデルでは説明できないことが明らかになった。

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