Nature ハイライト

神経:禁煙薬の標的

Nature 471, 7340

遺伝的関連解析からは、神経型ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)のα5サブユニット遺伝子CHRNA5の変異と、タバコ依存性、肺がん、慢性閉塞性肺疾患の感受性との関連が示されている。しかし、この遺伝子と行動の間をつなぐ機構はまだよくわかっていない。今回Fowlerたちは、ノックアウトマウスとレンチウイルスベクターを介するその救済、RNAiによるノックダウンラットを使って、α5サブユニットの発現量を操作すると、ニコチンに対する欲求が変化し、特に高用量の場合にそれが著しいことを示している。脳で、このサブユニットの発現量が多い手綱核–脚間核路の活動レベルを変化させると、ラットのニコチン消費量も変化した。この結果は、α5サブユニット含有nAChRが禁煙治療の有力な標的候補となることを示している。

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