Nature ハイライト

物性:散乱光を制御する

Nature 471, 7340

非弾性光散乱分光は、材料科学分野で素励起を調べるために用いられる強力な手段である。量子力学領域ではこれらの素励起は、入射光子により中間的な電子遷移を介して生成する。Wangたちは、電界効果ドープしたグラフェンを用いた実験から、このような中間的「量子経路」が操作可能であることを示した。彼らは、1つの経路をブロックすると強度が増加するという予想外の効果を観測しており、異なるラマン経路間の破壊的量子干渉の機構を明らかにしている。今回の研究によって、量子経路を制御して異常な非弾性光散乱現象を起こせる可能性が出てきた。

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