Nature ハイライト

免疫:自己免疫におけるT細胞の挙動

Nature 462, 7269

多発性硬化症のモデル系である実験的自己免疫性脳脊髄炎ラットの蛍光二光子顕微鏡を使った研究から、自己免疫疾患を引き起こす血中のT細胞は、まず脊髄髄膜の脈管構造の内部表面に直接くっついて表面を調べるように移動し、血流の方向に逆らってはうように進む場合もあることが明らかになった。T細胞は、脳血管関門を突破してしまうと抗原を提示している貪食細胞と会合し、それによって分化が一層進み、組織に浸潤していく。T細胞との相互作用に関与する構造は、自己免疫性脳疾患に対する治療標的として有望な候補となるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度