Nature ハイライト

化学:鎖を断ち切る

Nature 463, 7280

石油由来の原料を有用な化学物質に変換するには、炭素–水素(C–H)結合や炭素–炭素(C–C)結合の開裂制御が必要なことが多い。金属中心へのC–H結合の酸化的付加によってこのような開裂を実現した例は数多くある。しかし、C–C結合について同様の変換が行われた例はほとんどない。A SattlerとG Parkinは、タングステン中心を用い、珍しい配位子の形成を利用して、強いC–C結合を開裂できることを示している。今回の研究成果によって、適切な配位子をもつその他の多くの金属中心も、同様な目的のために開発できる見込みが出てきた。これにより、原料を価値の高い化学物質に変換する新しい方法が得られそうだ。

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