Nature ハイライト

細胞:iPS細胞の作製から3年

Nature 460, 7251

高橋和利と山中伸弥が、決まった少数の因子を用いて体細胞からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作製できることを最初に示してから3年が経つが、iPS細胞への関心はいまだに高い。だが、たった数個の因子の導入によるiPS細胞の作製に再現性はあるものの、導入された細胞のうち多分化能をもつようになるのはほんの数パーセントであり、また、この過程は時間がかかる。今週号の総説で山中伸弥は、まず「iPS細胞以前」の日々から始めて、iPS細胞の作製機構や、作製の非効率性や時間がかかることの理由を中心に論じている。山中は、直接的初期化のモデルを示し、この方法ではほとんどすべての細胞がiPS細胞になる可能性を秘めていると結論している。

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