Nature ハイライト 物性:まだまだ見つかるシリコンの意外な性質 2009年2月26日 Nature 457, 7233 シリコン系電子部品はどこにでもあり、そのためシリコンデバイス技術は、既に最も発展した分野の1つとなっている。しかし、京都大学の研究グループが今回報告しているように、シリコンではまだ、思ってもみなかった基本効果が見つかるのである。2つの非磁性金属コンタクトに挟まれた低ドープシリコンを用いた単純なデバイスで、磁場による電気抵抗の変化、つまり磁気抵抗効果が、室温で1,000%を超える非常に大きな値をとることが示された。これは、特定の磁性系にみられる「巨大」磁気抵抗効果に匹敵する。しかし、シリコンの場合は空間電荷効果に起因しているらしく、基盤となるメカニズムが全く異なっている。観測された磁気抵抗効果を利用すれば、新しいシリコン系磁性デバイスを開発できるかもしれない。 2009年2月26日号の Nature ハイライト 気候:南北気候シーソー 細胞:弾性が血管新生にかかわる 物性:まだまだ見つかるシリコンの意外な性質 材料:ナノスケールでの摩擦 地球:砂の移動 進化:初期の脊椎動物の生殖 医学:プリオンはアルツハイマー病にも関係する 細胞:インスリンシグナル伝達の脱線 植物:植物免疫応答とサリチル酸 目次へ戻る