Nature ハイライト

医学:大腸菌ワクチンの標的

Nature 457, 7229

毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli)は、発展途上国での下痢の最も一般的な原因であり、旅行者の下痢の主要原因でもある。この菌をはじめとする多くの細菌性病原体の病原性にとって、宿主細胞への接着は不可欠だが、今回、分泌タンパク質EtpAに依存する新たな接着機構が大腸菌で同定された。EtpAは、細菌の鞭毛の先端でフラジェリン分子の保存された領域と相互作用し、そこで細菌と宿主細胞の間に接着性の分子架橋を形成する。この知見は、EtpA、また保存されたフラジェリン・リガンドが、大腸菌などの運動性をもつ病原体に対するワクチンの有効な抗原標的となることを示す証拠の1つといえる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度