Nature ハイライト

細胞:実生活でのDNA修復

Nature 457, 7229

実験室では普通、細胞に強い紫外線(UV)を照射してDNA損傷に対する応答を調べている。しかし現実の世界では、細胞は継続的もしくは断続的に弱いUVにさらされている。この場合には、どのような反応が起こっているのだろうか。現実の環境で考えられる程度のUV量が酵母細胞に及ぼす作用についての研究が行われ、弱いUVを浴びたときに十分な感受性を示して作動するDNA修復機構があることが明らかになった。これがRAD6-RAD18-RAD5複製後修復経路である。この経路は、複製フォークが阻害されたときに過剰な一本鎖DNAが生じるのを防ぐことにより、損傷を受けたDNAを細胞が複製できるようにし、細胞増殖を阻害する応答の活性化を防いでいる。

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