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医学:βサラセミアの遺伝子治療に成功

Nature 467, 7313

異常なβグロビンが原因となって発症する血液疾患であるβサラセミアと鎌型赤血球症は、世界的にみて非常に発生数の多い遺伝性疾患であり、患者は生涯にわたって輸血を必要とする場合が多い。そのため今回報告された、重度のβサラセミア患者で、βグロビン遺伝子を発現するレンチウイルスベクターを用いた遺伝子治療が成功したという成果は、ずっと待ち望まれていたものであった。この成人男性患者は遺伝子の導入から2年以上経っているが、21か月間にわたって輸血の必要がなかった。この治療効果は、骨髄細胞に偏った優勢なクローンによってもたらされたものと考えられる。しかしながら、このクローンは良性を維持する可能性がある一方で、白血病に進行するおそれもある。したがって、この遺伝子治療はまだ初期段階にすぎないことを留意すべきだろう。

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