H5N1型インフルエンザウイルスの一部の臨床分離株でみられるオセルタミビル(タミフル)耐性の分子基盤は、薬剤標的であるウイルス・ノイラミニダーゼの変異であることがわかった。だが、この変異ノイラミニダーゼは、広く使われているもう1種類のノイラミニダーゼ阻害剤、ザナミビル(リレンザ)に対しては感受性を保っている。このことから考えると、抗ウイルス薬を備蓄する公共保健機関は、実効性の高い薬剤併用療法を行うために選択肢を広げ、オセルタミビルに加えて他の抗ウイルス薬も供給できるように図るべきだろう。
2008年6月26日号の Nature ハイライト
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