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進化:原始の被子植物の残存種

Nature 453, 7191

地味な水生植物であるヒダテラ科は、中生代に初めて出現した被子植物の仲間であり、極めて原始的なものであることが最近わかった。このほどW Friedmanは、ヒダテラ(Hydatella)には珍しい複数の発生学的特徴がみられるが、ヒダテラ以外でそれらがまとまってみられるのは、やはり原始的な植物であるスイレン目のみであることを明らかにした。ただし、ヒダテラには、これ以外にもう1つ特徴がある。それは、胚性組織からではなく、母性組織から種子に栄養が供給されることである。この特徴は他の被子植物にはみられないが、裸子植物(針葉樹類)には一般的なものであり、被子植物の初期の進化史の名残であると考えられる。

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