Nature ハイライト

材料:シリコンが熱電体になる

Nature 451, 7175

熱電材料は、熱勾配を電場に転換し、その逆の転換もできるので、発電と冷却に有用だろうと考えられている。しかし、現在使える高性能の熱電材料の製造は、大規模な廃熱エネルギーの回収に使うのに必要とされるような体積にまでスケールアップするのが容易でない。一部の材料では、ナノ構造化が熱電性能を改善するが、よい熱電体はナノ構造体にしにくいことが多い。シリコンは大規模な加工が可能だが、その熱電特性はあまりよくない。今週号の2つの論文は、シリコンをナノワイヤーアレイに構造化し、ナノワイヤーの形状とドーピングを綿密に制御すれば、その熱電特性が著しく改善できることを明らかにしている。この方法がもっと進歩すれば、シリコンは熱電材料として大きな可能性をもつようになるだろう。

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