Nature ハイライト

光学:光子の生と死

Nature 446, 7133

連続的に観測されている微視的な量子系では、トラップされた粒子の量子状態の急激な変化やジャンプは検出できるはずである。これは電子や分子など質量をもつ粒子では行われているが、質量がゼロの光量子では今まで可能ではなかった。標準的な光検出器は光を吸収し、同じ光子を繰り返し測定できないためである。今回、光を吸収しない原子の流れを使って、超伝導共振器に蓄積されたマイクロ波光子を調べることによってこの障害が克服された。同じ状態に高度に相関した数百個の原子の列が、突然の状態スイッチングによって分断される。このような電信信号は、各光子のいわば誕生から、その一生、そして死までを記録する。この研究によって、1個の光子を箱の中に秒の長さで蓄積し、感度のよいはかり(この実験では原子の流れがそれにあたる)で評価するというアインシュタインの夢の実現が近づいた。

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