Nature ハイライト 植物:洪水に負けない 2006年8月10日 Nature 442, 7103 アジアには、洪水によりイネがだめになり、大きな経済損失が生じている国が多い。イネ(Oryza sativa)の栽培種の多くは1週間以内の完全冠水で枯死するが、ごく一部の系統は、Submergence 1(Sub1)という重要な量的形質遺伝子座をもっているために、2週間程度冠水しても生き残ることができる。Sub1遺伝子群を詳細に分析した結果、Sub1Aという遺伝子が冠水耐性の重要な決定因子であることが今回突き止められた。アジアで広く栽培されているイネの栽培種にSub1Aを導入すると、高収量などの優れた特性を損なうことなく、洪水状態での生存率が高められた。 2006年8月10日号の Nature ハイライト 環境:答えは足下にある? 医療倫理:幹細胞提供への報酬 植物:洪水に負けない 宇宙:宇宙のリチウムはどこに消えた? 宇宙:太陽系のちっぽけな天体たち 物理:イオンが多いと光の伝搬が楽になる 地球:マグマが世に出るまで 生理:フェロモンをかぎつける 免疫:免疫系の新しいシグナル伝達経路 認知:顔を顔として見る 目次へ戻る