Nature ハイライト

Cover Story:問題を抱えた水系:サンゴ礁と淡水生態系のプラスチック汚染

Nature 619, 7969

捨てられた漁網に完全に覆われたミドリイシ属のサンゴ。フィリピンの水深約15 mの海底にて。
捨てられた漁網に完全に覆われたミドリイシ属のサンゴ。フィリピンの水深約15 mの海底にて。 | 拡大する

Credit: Luiz Rocha

ウニは、海草の葉やがれきの小さな破片を取得して、海底に溶け込むのに役立てることが多いが、表紙のミナミイイジマフクロウニ(Asthenosoma varium)は、青色のプラスチック袋の残骸をその代わりに使っており、捨てられてサンゴ礁に引っかかった釣り糸に絡まっている。フィリピンの深さ30 mの海底で撮影されたこの写真は、世界の生態系のプラスチック汚染が高まっていることを浮き彫りにしている。今週号では2報の論文が、遠隔の水環境でさえプラスチックの影響を受けていることを示し、その程度についての定量化に貢献している。H Pinheiroたちは、サンゴ礁に注目して、太平洋、大西洋、インド洋全域の25の海域にある84カ所のサンゴ礁においてプラスチック汚染物を探った。また、V Navaたちは、計23カ国の38カ所の湖や貯水池でマイクロプラスチックを調べた。どちらのチームも、プラスチック汚染は蔓延しており、監視と管理を全ての水域に広げるべきであるという、同じ結論に達している。

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