Nature ハイライト

生態: デバネズミ社会にいる「プログラムされた怠け者」

Nature 440, 7085

怠け癖だって遺伝する。少なくともダマラランドデバネズミ(Cryptomys damarensis)ではそうだ。デバネズミは、多くの昆虫でみられる社会構造に似た繁殖コロニーで協力し合って生活しているが、こうした生態をもつ哺乳類はこの種を含めて2種しか見つかっていない。このデバネズミ社会の労働階級にあたるワーカーには、生理的に異なるカースト(社会階級)が存在することが突き止められた。  巣穴の中のワーカーには、勤勉なものと、太っていて怠惰なものがいる。M Scantleburyたちは今回、デバネズミのエネルギー需要と活動度を調べ、ワーカーの2通りのライフスタイルは、ある同一行動の振幅範囲の両極端にあたるわけではなく、実際に別物であることを見いだした。  勤勉なワーカーは1年を通して活動的で、コロニーの雑用の95%をこなしている。一方、めったに働かないワーカーはエネルギー需要が低く、餌を食べることに多くの時間を費やしている。しかし、ひと雨降って穴が掘りやすくなり、分散や繁殖の機会が増えると、怠惰なワーカーのエネルギー消費量は勤勉なワーカーの値を超えて急上昇する。怠惰なワーカーは暮らしにくい時期にはコロニーの寄生者となって餌をくすねているが、暮らしやすい時期になるとコロニーから独立するのではないかと、Scantleburyたちは推測している。

2006年4月6日号の Nature ハイライト

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