Nature ハイライト

微生物学:肺の微生物相と脳の自己免疫の結び付き

Nature 603, 7899

肺の障害(喫煙や感染症など)は多発性硬化症(MS)のリスク因子だが、肺でのこれらの影響と脳の自己免疫の間のつながりは不明である。A Flügelたちは今回、ラットで、肺の微生物相のディスバイオーシスが脳内の免疫反応性に影響を及ぼすことを示している。リポ多糖(LPS)を産生するバクテロイデス門細菌を肺で回復させると、気管支肺胞洗浄液(BALF)中のLPSの増加と、脳のミクログリアの保護的なI型インターフェロンシグネチャーの増加につながることが分かった。この結果は、特定の細菌タクソンは保護的だが、肺の微生物相組成内の不均衡は自己免疫に関与することを示唆している。

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