Nature ハイライト

分子生物学:セントロメア領域のクロマチンを不安定化する

Nature 591, 7851

減数分裂の際に姉妹染色体が正しく分離されるには、セントロメア上での動原体の構築が必要であり、クロマチンのこの部分は特に安定性が高いと考えられている。今回J Cooperたちは、減数分裂での染色体の正確な分離が確実に起こるように働いている2つのタンパク質Rec8とSpo11が、セントロメアのクロマチンを解体するというもう1つの活性を持っていることを明らかにしている。酵母細胞とヒト細胞の両方で、減数分裂期、有糸分裂期のどちらであっても、これらのタンパク質が過剰発現されるとセントロメア領域のクロマチンが解体される。一部のがんでは減数分裂に関わるタンパク質の調節が異常になっていることが知られており、このような細胞で観察された動原体の機能不全とゲノムの不安定性は、これによって説明されるかもしれない。

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