Nature ハイライト

幹細胞:マクロファージは組織修復中に筋幹細胞を手助けする

Nature 591, 7849

骨格筋には、衛星細胞と呼ばれる静止状態の幹細胞のプールが存在する。これらの細胞は組織修復に不可欠であり、創傷の際には再活性化されて増殖し、新たな筋繊維の形成を可能にする。今回P Currieたちは、マクロファージのサブセットが創傷後に筋肉に誘導され、衛星細胞の増殖を誘発することを明らかにしている。これらのマクロファージはサイトカインの1つであるニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(NAMPT)を分泌し、これが衛星細胞上のCCR5受容体に結合することで、増殖が誘発される。以上より、この研究は、組織修復におけるマクロファージの役割の1つを明らかにし、マクロファージが成体組織幹細胞の一過的なニッチとして働き得ることを示している。

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