Nature ハイライト

コンピューター科学:強化学習を用いた成層圏気球の航法

Nature 588, 7836

スーパープレッシャー気球は、成層圏において数か月にわたって自律的に動作することができ、通信、地球観測、気象データ収集向けの費用対効果の高いプラットフォームとなっている。ルーン(Loon)スーパープレッシャー気球では、鉛直方向の移動は空気を取り込んだり放出したりすることで実現されるが、水平方向の移動は風任せなため、飛行制御装置は、航行に好ましい気流を見つけてそれに乗るために気球を上昇/下降させなければならない。こうした単純な力学にもかかわらず、長期間の気球制御、特に定置タスクは極めて困難である。今回M Bellemareたちは、強化学習を用いる高性能の飛行制御装置を実証している。彼らは、この装置をルーン気球に配備して世界各地の複数地点で定置させ、太平洋上での39日間にわたる制御実験などを行った。不完全なデータからの学習という課題は、データ拡張と自己修正設計を用いて克服された。

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