Nature ハイライト

構造生物学:ACAT1の構造と機能の特徴

Nature 581, 7808

アシルCoA:コレステロールO-アシルトランスフェラーゼ1(ACAT1)は膜結合型O-アシル基転移酵素(MBOAT)ファミリーに属する酵素である。ヒトでは、このファミリーに10種類を超える酵素が含まれていて、タンパク質か脂質のどちらかのアシル化を触媒している。しかし、MBOATファミリーの酵素でこれまでに3D構造が報告されているのは、細菌の酵素DltB 1つだけである。ACATは四量体酵素で、アシルCoAからコレステロールへのアシル基転移を触媒し、コレステリルエステルを生成させる。コレステリルエステルは、コレステロールが細胞内で貯蔵されたり、血漿中で輸送されたりする際の主な形態である。X Liたちの研究グループは今回、阻害剤であるnevanimibeと複合体を形成したACAT1四量体の構造と触媒活性について報告している。またN Yanたちは、ヒトACAT1二量体のクライオ電子顕微鏡によって得られた構造と機能的特徴について論じている。

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