Nature ハイライト

応用物理学:半球形の網膜を持つ生体模倣眼球

Nature 581, 7808

今回実証された生体模倣眼球のイメージ画像。
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生物学的な眼は、多くの動物にとって最も重要な感覚器官である。凹状で半球形の網膜を持つヒトの眼球は、視野が広く高分解能で、照明環境に対する適応性が優れているため特に重要である。そうした特性を持つ生体模倣眼球は、さまざまな技術に非常に望ましいが、球形であるという生物の眼球の性質によって、製造が非常に難しくなる。今回Z Fanたちは、光に対する感度が高く、生物の網膜の光受容体を模倣するペロブスカイトナノワイヤーの高密度アレイでできた半球形網膜を持つ、電気化学的な眼球を実証している。ヒトの眼球に構造が似ているだけでなく、この半球形の人工網膜は光受容体の密度をはるかに高くできるため、より高い画像分解能を実現できる可能性があり、家電製品やロボティクスから科学機器まで幅広い応用に役立つと思われる。

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