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古人類学:新たに発見された380万年前の頭蓋が明らかにするアウストラロピテクス属の起源

Nature 573, 7773

今回発見された頭蓋標本。
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Credit: Dale Omori, courtesy of the Cleveland Museum of Natural History

アウストラロピテクス属(Australopithecus)の最初期のヒト族については、頭部の構造がほとんど知られていない。しかしそうした現状は、今回Y Haile-Selassieたちが、エチオピアのウォランソ・ミルで380万年前のアウストラロピテクス属の頭蓋を発見したことで変わるだろう。この頭蓋は、その特徴から、これまで主に顎と歯からのみ知られていたアウストラロピテクス・アナメンシス(Australopithecus anamensis)のものであることが示された。この頭蓋に見られる原始的な形態は、さらに古いヒト族であるサヘラントロプス属(Sahelanthropus)やアルディピテクス属(Ardipithecus)との関連性を示しており、「ルーシー」で知られるより年代の新しいアウストラロピテクス・アファレンシス(Australopithecus afarensis)との直接的な関係に疑問が投げ掛けられた。著者たちはまた、同時掲載の論文で、アウストラロピテクス・アナメンシスが、主に乾性低木林からなり、さまざまな割合で草原、湿地、水辺林を伴う環境で生活していたことを明らかにしている。

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