Volume 599 Number 7884

Editorial

Natureの今年の給与調査では、COVID-19パンデミックが、世界各地の科学者のキャリアに深刻な悪影響を及ぼしていることが明らかになった。

COVID is disrupting scientific careers around the world p.179

doi: 10.1038/d41586-021-03049-6

News

米国の妊娠中絶法に関する裁判について、多くの科学者が声を上げる理由とは。

Why hundreds of scientists are weighing in on a high-stakes US abortion case p.187

doi: 10.1038/d41586-021-02834-7

規制を緩和した英国のCOVID-19感染状況に、世界の科学者が関心を。

Why scientists worldwide are watching UK COVID infections p.189

doi: 10.1038/d41586-021-03003-6

新たな治療法を求めて、SARS-CoV-2に対して遺伝的抵抗性を持つ人を見つけようとする国際的な研究が。

The search for people who never get COVID p.191

doi: 10.1038/d41586-021-02978-6

米国が、天文学分野の今後10年の課題やロードマップを示した報告書「Astro2020」を発表。

US astronomy's 10-year plan is super-ambitious p.192

doi: 10.1038/d41586-021-03027-y

海綿動物の「ニューロイド」と呼ばれる細胞が、神経系の起源である可能性が。

Sponge cells hint at origins of nervous system p.193

doi: 10.1038/d41586-021-03015-2

News Features

過去の人種差別と向き合う

Caltech confronted its racist past. Here’s what happened p.194

米国カリフォルニア工科大学は、学生や卒業生からの批判を受け、優生学運動を支援した過去を認め、建物や講座の名称変更などの対応を進めている。

doi: 10.1038/d41586-021-03052-x

News & Views

進化学:カンブリア紀の堆積物においてついに発見された苔虫動物の化石

Bryozoan fossils found at last in deposits from the Cambrian period p.203

分子証拠から、苔虫動物と呼ばれる水生動物が約5億4100万年前のカンブリア紀の化石の中に見つかるはずであることは以前から示されていたが、実際の化石証拠は欠如していた。今回、最近見つかった化石動物がカンブリア紀の苔虫動物であることが示された。

doi: 10.1038/d41586-021-02874-z

ゲノミクス:内陸アジアのミイラの予想外の血統

The unexpected ancestry of Inner Asian mummies p.204

今回、中国北西部のタリム盆地で出土した青銅器時代のミイラのゲノムから、この地域では広範囲の文化的交流が存在したにもかかわらず、この地の人々が遺伝的に隔離された古代アジア人集団を祖先とすることが示唆された。

doi: 10.1038/d41586-021-02872-1

腫瘍生物学:脂質のアンバランスが腫瘍の増殖を遅くすることを示唆する食餌分析

Diet comparison suggests a lipid imbalance can slow tumour growth p.206

食餌が腫瘍の増殖にどのように影響を及ぼすかを理解することは、より優れた治療法につながる。今回、マウスの分析から、低カロリーの食餌によって 膵臓がんの進行が遅くなるが、ケトン食ではこうした影響が見られないことが明らかになった。この効果は、脂質の変化によって仲介されている。

doi: 10.1038/d41586-021-02775-1

気候科学:明らかになった古気候の完全な描像

Global temperature changes mapped across the past 24,000 years p.208

今回、古気候のデータとモデルを用いた、過去2万4000年にわたる地球の温度変化の包括的な報告が提示された。この結果は、現代の温暖化が過去1万年間の緩やかな温度上昇とは異なっていることを示唆している。

doi: 10.1038/d41586-021-03011-6

進化学:ゲノムが明らかにしたサイ類系統の秘密

Rhinoceros genomes uncover family secrets p.209

今回、現生のサイと絶滅したサイのゲノムから、地理的隔離の結果としてさまざまな種が進化したことが明らかになった。さらに、異なる種間のDNAの比較から、サイの遺伝的変動性が長くにわたり低かったことも示された。

doi: 10.1038/d41586-021-02777-z

Articles

物性物理学:カゴメ超伝導体CsV3Sb5における相関電子状態のカスケード

Cascade of correlated electron states in the kagome superconductor CsV3Sb5 p.216

doi: 10.1038/s41586-021-03946-w

物性物理学:強結合カゴメ超伝導体におけるロトン対密度波

Roton pair density wave in a strong-coupling kagome superconductor p.222

doi: 10.1038/s41586-021-03983-5

材料科学:バブルキャスティングによるソフトロボティクス

Bubble casting soft robotics p.229

doi: 10.1038/s41586-021-04029-6

化学:高効率プロパン脱水素化用のZnOx種のin situ形成

In situ formation of ZnOx species for efficient propane dehydrogenation p.234

doi: 10.1038/s41586-021-03923-3

気候科学:全球規模で解像された最終氷期極大期以降の表面温度

Globally resolved surface temperatures since the Last Glacial Maximum p.239

doi: 10.1038/s41586-021-03984-4

地球科学:アウターライズにおける脆性–延性損傷による動的なスラブ分割

Dynamic slab segmentation due to brittle–ductile damage in the outer rise p.245

doi: 10.1038/s41586-021-03937-x

進化学:苔虫動物門がカンブリア紀前期に出現したことを示す化石証拠

Fossil evidence unveils an early Cambrian origin for Bryozoa p.251

doi: 10.1038/s41586-021-04033-w

ゲノミクス:タリム盆地で出土した青銅器時代のミイラのゲノム起源

The genomic origins of the Bronze Age Tarim Basin mummies p.256

doi: 10.1038/s41586-021-04052-7

神経科学:向社会的相互作用における親和的接触の神経制御

Neural control of affiliative touch in prosocial interaction p.262

doi: 10.1038/s41586-021-03962-w

発生生物学:形状で制約されるin vitroでのヒト神経管の形態形成

Human neural tube morphogenesis in vitro by geometric constraints p.268

doi: 10.1038/s41586-021-04026-9

植物科学:根の成長におけるH+フラックスのための細胞表面および細胞内のオーキシンシグナル伝達

Cell surface and intracellular auxin signalling for H+ fluxes in root growth p.273

doi: 10.1038/s41586-021-04037-6

植物科学:TMKを介した細胞表面のオーキシンシグナル伝達が細胞壁の酸性化を促進する

TMK-based cell-surface auxin signalling activates cell-wall acidification p.278

doi: 10.1038/s41586-021-03976-4

コロナウイルス:ウイルス誘導性老化はCOVID-19のドライバーであり治療標的である

Virus-induced senescence is a driver and therapeutic target in COVID-19 p.283

doi: 10.1038/s41586-021-03995-1

微生物学:赤痢菌はカスパーゼ-11のアルギニンADPリボキサネーションによってピロトーシスを回避する

Shigella evades pyroptosis by arginine ADP-riboxanation of caspase-11 p.290

doi: 10.1038/s41586-021-04020-1

代謝:グリコーゲン代謝は脂肪細胞でのグルコース恒常性と熱産生を結び付ける

Glycogen metabolism links glucose homeostasis to thermogenesis in adipocytes p.296

doi: 10.1038/s41586-021-04019-8

腫瘍生物学:低血糖食は脂質代謝を変化させて腫瘍増殖に影響を及ぼす

Low glycaemic diets alter lipid metabolism to influence tumour growth p.302

doi: 10.1038/s41586-021-04049-2

分子生物学:eccDNAはアポトーシスの産物であり、高い自然免疫刺激活性を持つ

eccDNAs are apoptotic products with high innate immunostimulatory activity p.308

doi: 10.1038/s41586-021-04009-w

細胞生物学:ニューロフィブロミンのアイソフォーム2型の構造から明らかになった多様な機能状態

The structure of neurofibromin isoform 2 reveals different functional states p.315

doi: 10.1038/s41586-021-04024-x

生化学:DispatchedはNa+フラックスを使って脂質で修飾されたヘッジホッグの放出を引き起こす

Dispatched uses Na+ flux to power release of lipid-modified Hedgehog p.320

doi: 10.1038/s41586-021-03996-0

構造生物学:NETO2によるカイニン酸受容体の調節

Kainate receptor modulation by NETO2 p.325

doi: 10.1038/s41586-021-03936-y

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