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核物理学:競合的な二重ガンマ核崩壊の観測
Nature 526, 7573 doi: 10.1038/nature15543
励起状態にある量子系の二重ガンマ(γγ)崩壊は、量子電気力学の基本的な二次過程である。よく知られた単一ガンマ(γ)崩壊とは対照的に、γγ崩壊には、それぞれが連続エネルギースペクトルを持つ2個のγ量子を同時に放出するという特徴がある。核物理学では、このエキゾチック崩壊モードは、スピンパリティ量子数Jπ = 0+を持つ状態間の遷移に対してのみ観測されている。γγ崩壊を観測する上で実験の主要な障害となる単一γ崩壊は、これら0+ → 0+遷移に対しては厳密に禁制されている。本論文では、基底状態Jπ = 3/2+への許容γ崩壊に直接競合する励起核状態(Jπ = 11/2−)のγγ崩壊を観測した結果を報告する。137Baの11/2−異性核の基底状態への、単一γ崩壊に対する競合するγγ崩壊の分岐比は、(2.05 ± 0.37) × 10−6と決定された。個々のγ線について測定された角相関とエネルギースペクトルの形状から、γ線の多極性の原因となる組み合わせが決定された。準粒子–フォノンモデルを使って計算した遷移行列要素によって、我々の測定結果はうまく再現された。このγγ崩壊速度から、一般化した(非対角の)核の電気分極率と磁化率など、これまで調べられていない重要な核構造情報が得られる。

