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構造生物学:哺乳類のフルクトース輸送体GLUT5の構造と作用機構
Nature 526, 7573 doi: 10.1038/nature14909
フルクトース輸送体GLUT5は促進拡散型グルコース輸送体ファミリーのアイソフォームの1つで、その活性異常により2型糖尿病や肥満などの病気と関連付けられてきた。GLUT5はまた、ある種の腫瘍細胞で過剰に発現されており、その阻害剤はこうした病気の治療薬になる可能性がある。今回我々は、ラット(Rattus norvegicus)由来GLUT5の細胞の外側を向いた開状態のコンホメーションと、ウシ(Bos taurus)由来GLUT5の細胞の内側を向いた開状態のコンホメーションの結晶構造について述べる。GLUT5は、構造の類似した他の単糖輸送体と同様に、MFS(major facilitator superfamily)フォールドに折りたたまれている。GLUT5の内向き構造と広く存在するグルコース輸送体であるヒトGLUT1の内向き構造との比較から、単一の点変異を導入するだけでGLUT5の基質結合特異性をフルクトースからグルコースへと変換できることが明らかになった。基質と結合していないGLUT5の構造と基質と結合した閉状態の大腸菌(Escherichia coli)XylEの構造との比較から、膜貫通領域のロッカースイッチに似た大規模な回転運動に加えて、カルボキシ末端側の膜貫通領域内部のヘリックスTM7およびTM10の局所的な非対称構造変化に基づいた「ゲートポア」機構がこの種の単糖輸送体にあることが分かった。

