Letter 環境:開発途上国の生物多様性への脅威を助長する国際貿易 2012年6月7日 Nature 486, 7401 doi: 10.1038/nature11145 人類の活動は、地球史上6番目の大量絶滅事象を引き起こしつつあり、世界の生物多様性資源が人類出現以前の100〜1,000倍の速度で加速度的に失われている。過去にも、食糧、燃料、および居住空間に対する局所的需要から、種の生息地への影響の小さい侵入は起こっていた。しかし、グローバル化が進む現代の経済では、国際貿易網が、消費地から遠く離れた場所にある生息地の崩壊を加速している。経済的繁栄および経済的不平等の悪影響は立証されているが、国際貿易が種に対する脅威を助長する因子として重要であることは、あまり理解されていない。本論文では、複雑な経路による国際貿易の結果として多くの種が脅威にさらされており、特に、突き詰めれば開発途上国で生産されている商品に対する需要によって、先進国の消費者が種に対する脅威の原因となっていることを明らかにする。我々は、国際自然保護連合レッドリストにある動物界の2万5,000種の脅威の記録と187か国で生産されている1万5,000種類を超える商品との関係を明らかにするとともに、50億を超える商品供給網を生物多様性への影響の観点から評価した。侵入種を除くと、世界の種の脅威の30%が国際貿易によるものであることがわかった。先進国の多くでは、輸入されるコーヒー、茶、砂糖、織物、魚介類、およびそのほかの製品の消費が生物多様性への影響の原因となっているが、その影響は自国よりも他国で大きくなっている。今回の結果は、劣化や汚染をもたらす生産者を切り離して見るのではなく、生物多様性の減少を地球全体の現象として考察することの重要性を強調している。我々は、今回の知見が規制の改善、持続可能な商品供給網の認証、および消費者製品表示を促進することを期待している。 Full Text PDF 目次へ戻る