Research Press Release
チベット高原を拡大する
Nature Geoscience
2015年1月13日
チベット高原の伸張と拡大は、一部はユーラシア・プレートの下でインド・プレートが北向きに移動したことで起きたという報告が、今週のオンライン版に掲載される。これまでは、高原の拡大は自重によって崩壊した結果であると考えられることが一般的であった。
Richard Styronたちは、計算機モデルを用いてインド・プレートとユーラシア・プレートが衝突したときのチベット高原の進化をシミュレーションした。モデルの結果は、高原全体が重力によって崩壊し、およそ1600万年前以降東向きに拡大していることを裏付けている。
しかしながら、シミュレーションはまた、数百万年後に2回目の拡大の波が始まったことを示している。この後者の波は、最初の分裂よりも速い速度で起きていて、インド・プレートの北向きの沈み込みと並んで南から北向きに動いていた。研究者たちは、インド・プレートはユーラシア・プレートのはるか下で連続的に北向きの動きをさせられたので、表面の地殻もその上で伸張したことを示唆している。
doi:10.1038/ngeo2336
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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