工学:装着型ロボット装置が小児の神経筋機能の回復を促進する
Nature
2026年5月21日
脊髄性筋萎縮症(SMA:spinal muscular atrophy)の小児において神経筋機能の回復を促進し、自立して立ち上がることを可能にする軽量なロボット装置を報告する論文が、今週のNature に掲載される。機能の改善は、トレーニングを中止した後も持続しており、持続的な回復の可能性が示された。
SMAは、神経に影響を及ぼし、筋力低下を引き起こす神経筋疾患であり、患者の運動機能を制限する可能性がある。症状は、速度制御された運動を用いて筋力を向上させる等速性レジスタンストレーニング(isokinetic resistance training)などの理学療法によって管理できる。しかし、このようなトレーニングには専門施設でしか利用できない機器が必要であり、また、このトレーニングに使用される装置は大型でかさばるため、小児が使用することが難しい場合が多い。
Yanggang Fengら(北京航空航天大学〔中国〕)は、SMAの中間型であるII型SMAの小児に対する等速性トレーニングを支援するため、軽量(0.96キログラム)な装着型膝ロボットを設計した。臨床試験では、介助なしでは座った状態から立ち上がることができない6名の小児(6~10歳)を対象に、その効果を検証した。週5回、6週間にわたる本装置を用いたトレーニングの結果、著者らは運動機能(6名全員がロボットの助けなしに座った状態から立ち上がれるようになった)、膝機能、および筋量(大腿四頭筋が19%増加)の改善を確認した。その後、小児たちはさらに6週間、低強度の等速性トレーニング(週3回のデバイス使用)を継続し、その後、従来の理学療法に戻ったうえで、30日間の追跡調査を受けた。参加者は、等速性トレーニングの中止後も機能の改善を維持しており、この装着型等速性トレーニングロボットデバイスを一時的に使用することで、長期にわたる神経筋機能の回復が促進されることが示唆された。
著者らは、SMAは予後不良な希少疾患であるため、参加者の募集が限定的であったものの、この治療法の有効性を正確に判断するには、より大規模なコホートを対象とした今後の試験が必要であると指摘している。また、異なる筋肉をターゲットとしたさらなる改良により、本デバイスの可能性が向上する可能性があるとも付け加えている。
- Article
- Published: 20 May 2026
Li, Y., Ren, J., Shu, T. et al. Spinal neuromotor rehabilitation using a portable isokinetic training robot. Nature (2026). https://doi.org/10.1038/s41586-026-10642-0
News: Wearable robot boosts strength of children with spinal muscular atrophy
https://www.nature.com/articles/d41586-026-01573-x
doi:10.1038/s41586-026-10642-0
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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