Research Press Release
太陽がかすむと川が溢れる
Nature Geoscience
2014年10月6日
1980年代にエアロゾル濃度が上昇したことは、入射する太陽放射をかすませることで、北半球の河川からの流出を著しく増加させる結果となったとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。このエアロゾルと河川流出量との関連性が将来にわたって存続するならば、法律が制定されたことで空気の質が改善するため流出量は減少する可能性がある。
20世紀の地表気象の見積もりを詳細な土地被覆モデルと共に用いることで、Nicola Gedneyたちは気候変動に対する河川流出量の応答をシミュレーションした。Gedneyたちは、北半球全体と個別の河床の両方について、河川の流れがエアロゾルに対して統計的に有意な応答をすることを発見した。ヨーロッパで最も汚染が進んでいる河川の1つであるオーデル川流域では、年間の流出量は長期的な平均と比べて最大25%も上昇している。
doi:10.1038/ngeo2263
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
注目のハイライト
-
動物学:雌のボノボは団結し、雄に対して優位性を発揮するCommunications Biology
-
量子物理学:通信インフラを活用した長距離量子通信Nature
-
人類学:カルタゴとフェニキアの間に家族的なつながりはほとんどないNature
-
気候変動:温暖化が進む世界で急激な「気温の変化」が増えているNature Communications
-
健康:高血圧の治療は認知症リスクを低減するかもしれないNature Medicine
-
気候:都市のヒートアイランド現象による気温関連死の評価Nature Climate Change