Research Press Release
【再生可能エネルギー】自己充電式電池の機能も果たすスマートウインドウ
Nature Communications
2014年9月24日
自己給電式エレクトロクロミック・スマートウインドウと自己充電式電池の両方の機能を果たすデバイスについて報告する論文が、今週掲載される。このデバイスは、将来的にグリーンビルディング(環境配慮型建物)業界での応用可能性が期待される。
エレクトロクロミック・スマートウインドウは、電圧をかけると透明度が変化するように設計されている。ただし、従来のエレクトロクロミック・スマートウインドウも充電池も作動するためには外部電源が必要だ。これに対して、多くの環境配慮型建物の開発業者の最終目標は、消費エネルギーをゼロにすることにある。
今回、Xiao Wei Sunたちは、アルミ製電極とプルシアンブルー(紺青)の電極を用いるエレクトロクロミック・スマートウインドウを新たに設計した。このデバイスのブルー色は、2つの電極を接続することで透明(プルシアンホワイト色)にできる。水溶液の存在下で電極の接続を外すと、プルシアンホワイトがプルシアンブルーに戻る。この反応により、このスマートウインドウには充電池のようにエネルギーも貯蔵される。ただし、このデバイスの商業的生産を実現するには、性能のいくつかの側面を向上させる必要がある。
doi:10.1038/ncomms5921
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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