Research Press Release
【遺伝】夜をなくしてトマトを育てる
Nature Communications
2014年8月6日
野生種のトマトに対して連続的な光照射への耐性を与える遺伝子が発見され、商業品種の収量の大幅増加につながる可能性が明らかになったことを報告する論文が、今週掲載される。
1日に利用できる光の量は、作物の生産性を制約する大きな要因の1つとなっている。人工照明を利用すれば、光の照射時間とエネルギー産生時間を長くできるが、栽培種のトマトは、人工照明条件下で、葉の損傷を起こし、被害を受けることが多い。この現象については、1920年代から研究が盛んに行われているが、あまり解明が進んでいない。
今回、Aaron Velez-Ramirezたちは、一部の野生種のトマトが、24時間照明条件に対して耐性を有している理由を調べた。その結果、CAB-13遺伝子が同定され、この遺伝子が、栽培種よりも南米由来の野生種において高発現していることが分かった。次に、Velez-Ramirezたちは、CAB-13遺伝子を現生栽培種に導入した。その結果、この新品種は、連続的な光照射条件での収量が増加し、生育の他の側面は影響を受けなかった。
Velez-Ramirezたちは、トマト栽培で典型的な明期16時間/暗期8時間のサイクルではなく、光の連続照射によってこれらのトマト種を栽培することで、収量が約20%増えることを明らかにした。今回の研究は、トマトの栽培業者にとって重要な意味を持つだけでなく、光合成研究に新たな道を開く。
doi:10.1038/ncomms5549
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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