Research Press Release
植物体の燃焼で生じるエアロゾルの温暖化効果は過小評価されている
Nature Geoscience
2014年8月4日
よく褐色炭素エアロゾルと呼ばれる植物体の燃焼で生じる煙粒子は、おそらくほとんどの気候モデルの仮定よりも多くの太陽光を吸収するとの報告が、今週のオンライン版に掲載される。この研究によると、褐色炭素はエアロゾルによる気候温暖化について重要な要因になり得るとのことである。
褐色炭素は、森林火災や、薪や穀物残渣などの植物体を燃料として用いた料理用コンロから放出される。Allen Robinsonたちは、室内実験で植物体の燃焼による煙の吸収特性を調べた。彼らは、褐色炭素の吸収特性は発生したばかりの煙のすす含有量と密接に関連していることを見つけた。彼らはまた、褐色炭素エアロゾルによる温暖化の程度は、燃料の種類より燃焼条件に依存すると述べている。
関連するNews & Viewsの記事で、Nicolas Bellouinは「植物体の燃焼で生じる有機質エアロゾルの吸収特性は、より大きな環境での気候への影響を評価することができる気候モデルに取り込まれる必要がある」と述べている。
doi:10.1038/ngeo2220
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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